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【映画】『サバイバルファミリー』の感想・レビュー

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先週公開した『サバイバルファミリー』という映画。

「電気が消える」という謳い文句に心惹かれ、本日観に行ってきました。

ということで、多少ネタバレ有りの感想を書いていきたいと思います。

 

 

サバイバルファミリーの基本内容

あらすじなど

【監督】矢口史靖

【出演】小日向文世深津絵里泉澤祐希葵わかな

 

東京に暮らす平凡な一家、鈴木家。さえないお父さん(小日向文世)天然なお母さん(深津絵里)、無口な息子(泉澤祐希スマホが全ての娘(葵わかな)。一緒にいるのがなんだかバラバラなありふれた家族。

そんな鈴木家にある朝突然、緊急事態発生!テレビや冷蔵庫、スマホにパソコンといった電化製品ばかりか、電車、自動車、ガス、水道、乾電池に至るまで電気を必要とするすべてのものが完全にストップ!ただの停電かと思っていたけど、どうもそうじゃない。次の日も、その次の日も、1週刊経っても電気は戻らない・・・。情報も断絶された中、突然訪れた超不自由生活。

そんな中、父が一世一代の大決断を下す。

≪東京から脱出する!≫

家族を待ち受けていたのは、減っていく食料、1本2500円まで高騰する水、慣れない野宿。高速道路は車ではなく徒歩で移動する人でいっぱい、トンネルは真っ暗すぎて一歩も進めない。しまいには食料確保のために必死で野ブタを追いかけることに・・・!?

一家は時にぶつかり合いながらも、必死で前へと進むが、さらなる困難が次々と襲い掛かる!!

果たして、サバイバル能力ゼロの平凡一家は電気が無くなった世界で生き延びることができるのか!?

今、鈴木家のサバイバルライフの幕があがる!!(公式サイトより)

 

 

感想

矢口監督ということで期待して観に行ったのですが、全体的に粗い作りで、これならレンタルで良かったかなと思いました。

おそらく、人を選ぶ映画だと思います。

コメディーと何となくのリアリティ、どちらも中途半端だったんですよね。

どちらかに寄せて作ればよかったのでは?

そこが残念。

 

後半、鹿児島についてからの展開が突然すぎてですね。

突然のSLと犬がなぁ。

発煙筒に水族館、かつらは「なるほど」と思いましたが。

鹿児島を目指す途中までは面白く、川を越える辺りまではまあ飽きずに観れました。

川、SLくらいから飽きてしまったことが問題。

 

最初はバラバラだった家族が段々と1つになっていく姿には感動しました。

映画冒頭の家の中のシーンと、全て解決した後の最後の家の中のシーンでは、家族の姿がまったく違います。 

威張るだけで何も出来ない父が、かつらを捨ててありのままの自分の姿になるのには、うるっときました。

過去の自分と決別したのでしょう。

電気があることで生活は豊か、でも家族間の関係は冷え切っている。

電気がなくなって生活のレベルは落ちたけれど、家族間の関係は暖かくなった。

皮肉なものです。

 

 

 

実際に東京で災害が起こったら……

実際に東京で震災が起こったら、というシチュエーションを「電気が消えた」という設定で上手くコミカルに描いた作品だと思います。

もし東京で地震が起こったらという作品だと『東京マグニチュード8.0』というアニメがあり、テーマがテーマだけに話が重く、人の死が描かれています。

その点、電気だとそこまで死が映らないので「電気が消えた」を題材に考えたのでしょうか。

サバイバルファミリーの中で出てきた死はお婆ちゃんと、犬(マンションに閉じめられた)、豚。

サバイバルファミリーがもし地震を題材にしていたらもっと多くの死が描かれていたのでは?

 

お店から食料、水、電池が消えた光景は、3.11を思い出してしまいました。

信号が消えた道路を人の群れが行き来する景色は、まさに3.11の時の東京と同じ。

母が学校まで迎えにきてくれて、一緒に家まで40分ほど歩いて帰ったことを思い出しました。

もしサバイバルファミリーみたいな状況に置かれたら、と考えると怖いです。 

 

「電気が消えた」だけで東京はパニックになってしまいます。

東京は、少しの雪、大量の雨だけでも交通が機能しなくなる都市です。

電気が消える以上の、東京直下型地震がもし起こったら……。

きっと映画以上のパニックなるに違いありません。

サバイバルファミリーは映画だからと、楽観視し出来る娯楽作品です。

もし現実に、と想像すると本当に恐ろしくなります。

 

サバイバルファミリーから学んだことは、正しい情報と自転車の大切さ。

車や電車、飛行機など、どんなにハイテクな物があっても結果最後に役立つのは、ただ漕ぐだけの自転車というのには笑いました。

情報は言わずもがな。