シークレット・オブ・モンスターの感想
先週、告知ポスターを目にしてから絶対見に行くと決めていた『シークレット・オブ・モンスター』を見に行ってきました。
独裁者の幼少時代を描くというストーリーに惹かれたのと、いかにもなヨーロッパの感じに興味を持ちまして。
しかし、ここらだと上映しているのが、TOHOシネマズ シャンテしかないのがネックですね。
『帰ってきたヒトラー』は、TOHOシネマズ新宿で上映してくれてたのに。
シークレット・オブ・モンスターについて
ストーリー
「第一次世界大戦が終戦を迎えた1918年。パリでヴェルサイユ条約作成を目的にアメリカからフランスに送り込まれた政府高官。
彼には信仰心の厚いドイツ人の妻と、少女と見間違えるほど美しい息子がいた。
仕事が最優先で家庭をないがしろにする父親に代わり、息子は多くの時間を母親と過ごすのだったが、彼は常に何かに不満を感じてやり場のない怒りのようなものを抱えていた。
そして、その歪んだ感情はやがて形を持ち始める……。」
映画を見に行く前は必ず公式サイトを1度は目を通すのですが、これは監督のインタビューまで隅から隅まできっちり目を通しておいた方がいいです。
シークレット・オブ・モンスターを見る前に絶対に公式サイトを絶対見ておいて下さい。
その方がまだ理解できると思います。
何ならネタバレを見てから見に行ってもいいかもしれません。
理由は後で語ります。
シークレット・オブ・モンスターは、サルトルの短編小説である『一指導者の幼年時代』を元にした映画だそうです。
1回読んでおきたい。
1.感想(ネタバレなし)
独裁者の幼少の話ということで見に行く前は、血が出てくる映画かなと思っていたら、まったくそんな事はなかったです。
ただ淡々と独裁者の幼少の話が続くだけなので、人によっては飽きる作品だと思います。
現に、前の席の人は途中から船を漕いでましたし。
ただ、役者さんはイケメン、美女も出てくる、そして主人公の少年が金髪で可愛いので、そういうのを目当てに見るのも有りかも。
家庭教師の女性が妙にエロくて美人です。
音楽が魅力的
序盤から不協和音の音楽が流れるのですが、掴みとして上手く出来ていると思います。
不協和音がこれから起こる不吉な未来を予兆しているかのように感じました。
まるで、音楽だけで場面を表しているみたい。
2.感想(ネタバレ有り)
ここからネタバレ有りの感想です。
少年はいったい誰をモチーフにした独裁者なのかというと、謎で終わったような。
公式では、いちよムッソリーニを参考にしているようですが。
少年がどんどん歪んで行き最後は独裁者となったわけですが、幼少の頃の環境が心を歪めたのかと。
正直、クリスマスの日に教会の前でひたすら謝っているシーンは引きました。
あれはトラウマもの。
父は仕事ばかりで子どもにはあまり興味がなく、母は自分が正しいと思う教育を子どもに押し付けるだけ。
1度も我が子と向き合おうとはしていなかったように思えます。
誰も自分のことを分かってくれない、きちんと見てくれない中、唯一の味方かつ自分の事を受け入れてくれてたメイドさんは、母によってクビにされる。
心を開きかけ、淡い恋心を向けていた家庭教師の女性は、自分の父親と不倫。
そりゃあ心も歪みますわ。
おそらく母親も不倫しているだろうし、両親の事を信じられず、そこから神の事も信じられなくなるのも頷けます。
独裁者となっている最後のシーン
少年は最後、独裁者となって大人の姿で出てくるのですが、あらびっくり。
つるっぱげ!
と、私はそれだけで終わったのですが、世の中にはきちんと理解している人もいるようで。
少年の大人の姿を演じてる人は、母親の不倫相手を演じてる人と同じ。
つまり、少年は母親と不倫相手との間の子どもだった。
そこから考えるに、少年は産まれた時から歪んでいたのではないか。
気付いた方の洞察力凄すぎる…!
顔見てもよく分からなかったよ。
まとめ
シークレット・オブ・モンスターは、考察が楽しい映画です。
考察が楽しいというか考察を楽しむの方が正しいかも。
公式では心理ミステリーと銘打ってますが、ただ映画を見てるだけだと意味不明だと思います。
映画の中に隠されているヒントを元に自分で考え、想像するのが正解の楽しみ方かと。
おそらく見る人によって捉え方が違うので、十人十色のシークレット・オブ・モンスターという映画が存在しているのではないでしょうか。